ホルモンも脱毛の原因に?!

ホルモンとは主に身体の内分泌組織で作られて、血流に乗りターゲット臓器や器官に運ばれて生命機能を調節し維持するはたらきをもつ重要な情報伝達物質です。
その体の中では重要な働きをしているホルモンが毛が抜ける原因になることもあります。

 犬と猫の脱毛症には、様々な原因があるとされています。
大きく分けると、皮膚や毛包に炎症があるのかないのか(炎症性or非炎症性)、そして皮膚や毛には異常がないのにストレスや違和感などで患部を舐めたり、齧ったりすることで脱毛してしまう場合もあります。

脱毛症の原因

炎症性脱毛症

感染、アレルギー、免疫疾患などによる皮膚炎

②非炎症性脱毛

先天性または後天性に毛や毛包、毛周期の異常が起こることにより脱毛

無毛品種

・淡色被毛脱毛症(CDA)、黒色毛包発育異常症(BHFD)

パターン脱毛症 

・季節性側腹部脱毛症

脱毛症X(毛周期停止)

・毛刈り後脱毛症

内分泌疾患(副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、性ホルモン関連皮膚症)

・ステロイド皮膚症 etc.

③その他

外傷、心因性、違和感(整形疾患など)

 特に中高齢になってから毛が薄くなってきた場合、内分泌疾患が隠れている場合があります。
人でも、AGAは男性ホルモンが関与していると言われていますよね。

 内分泌疾患は、一般的に症状がわかりにくく発見が遅れやすいです。しかし、放っておくと全身の不調に繋がることも多いので、脱毛のサインを見逃さないことも大切です。

 次回からは、各内分泌疾患についてご紹介していきます。

当院は朝7時から(日曜祝日は9時からになります)完全予約制で診察を行なっています。
夜間に体調を崩してしまい、朝もまだ安定していない場合やお仕事、御用事の前にご心配がある場合もご連絡ください。
注意:WEB予約が空いていない場合や緊急時はすぐにお電話でお問い合わせください。

この記事を書いた人

獣医皮膚科認定医 門岡友子

この度「めぐり動物病院 元代々木」にて皮膚科専門診療を任されることとなりました。
皮膚疾患は動物病院への来院理由でも常にトップ3に入る疾患です。
また、アレルギーや感染症、免疫介在性疾患、腫瘍など、原因が多岐に渡るのも皮膚疾患の特徴です。
そのため、皮膚疾患の原因を一つ一つ丁寧に紐解き適切な診断を行い、ご家族に寄り添った治療を提案してまいります。
ワンちゃんネコちゃんの皮膚疾患にお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

経歴
・麻布大学獣医学部 卒業
・Vet Derm Tokyo 皮膚科第1期研修医
・ヤマザキ動物看護専門職短期大学 非常勤講師
・日本小動物ケースベースド情報ネットワーク(JCABIN)皮膚科担当講師