人間の何百倍も匂いに敏感な犬や猫にアロマセラピーって大丈夫なのかな?と思いますよね。
アロマセラピーと犬や猫について調べると多くの情報はありませんでしたが、香りに関して調査された海外の報告で気になる情報がありました。
ラベンダー のアロマの効果を犬で調査したものになります。
過去にオーナーの車で旅行中に興奮したことがある犬たちに協力してもらってラベンダー の香りで車移動の興奮が落ち着くかその効果を調査
自然の香りのみで過ごし犬たち、ラベンダー の香りをかきながらドライブした犬たちで数日ずつ調査しています。それぞれの犬たちがドライブ中に行った、車の中での移動や立つ、座る、リラックスする、声を出すなどの行動をした時間の割合を調べています。
その結果は、ラベンダー の香りの車の犬達は休んだり座ったりする時間が大幅に長くなり、動いたり鳴く時間が減りました。それらの行動の間には性別や去勢手術を受けているかどうかなどの条件は関係ありませんでした。
この結果を踏まえるとラベンダーの香りを拡散させる形でのアロマセラピーは、移動によって引き起こされる興奮に対する実用的な代替治療法となる可能性があると締めくくっています。
これまでこのような子のケアには薬を使う、そもそも旅行に行かないなどの対処でしかなかったので、これは少し有益な情報かもしれません。
ただ、残念ながらこの一つの報告だけで効果が確かとは言えないところがあります。
アロマセラピーは香りを楽しむだけではなくその香りで体調を整えるなどの使われ方もし医療的な側面で使われている話も聞くかと思います。
このようにいわゆる通常の近代医療に替わる医療として代替医療とか医療を補完する役割の補完医療、合わせて代替補完療法と言われています。ハーブやホメオパシーなど西洋やアジアでも歴史がありますよね。
調べると、この代替医療のこれまでの記事や論文調査した海外のレビュー(まとめ)が出ていました。
猫、犬、馬の研究に限定した書誌検索982の出版物のうち、24種類の代替補完医療(アロマセラピー、ゴールドセラピー、ホメオパシー、ヒル(ヒルドセラピー)、メソセラピー、泥、神経療法、音(音楽)療法、振動療法など)が評価されていたものの効果に関してはやはり不確定でまだ効果が保証されるものではない。
実際のところ効果の証明が難しいのでしょう。特に副作用などの情報が知りたいものです。
うちの子にアロマを使う時の注意点
もし効果がある香りでも本人(犬)が好きではない、きらいな可能性もあるので、少量から試してみて嫌がる様子がないかみてみましょう。直接舐めないように注意しましょうね。
ドライブで困る車酔いの症状には残念ながらまだアロマの情報はありませんでした。
ただ、効果的なお薬がありますのでご相談ください。
またお留守番や生活の変化(新しい家族をお迎えする、引越し、災害時)、環境の変化(旅行、病院、季節の変わり目、来客)でストレスを受けやすい子へのサプリメントもあります。(犬用、猫用あり)
粉でフードにかけられるので便利です。
病気のこと以外でもお困りのことがあればご相談くださいね。
参考文献:
Wells, Deborah L. 2006. JAVMA 229(6): 964–67.
Anna Bergh et al. Animals (Basel):2021 Nov 24;11(12)