皮膚科の検査ってどんなことをするの?Part2

〜毛検査〜

皮膚疾患の診断をするために欠かせないものが「皮膚科学的検査」です。

エコー検査や内視鏡検査のような派手さはないのですが、この皮膚科学的検査によって私たちはさまざまな情報を得ることができます。

実際の診察でも検査風景を直接目にすることが多いと思うので、順番にご紹介していきます。

【毛検査(トリコグラム)】

毛を鉗子で引き抜いて、顕微鏡で毛の状態を観察します。

特に毛が薄くなってきたような子では、毛の発毛サイクルが正常なのか確認するためによく実施します。

また、皮膚糸状菌のようなカビや、ニキビダニのように毛穴に寄生するダニを検出するためにも有用な検査です。

正常な成長期毛。毛の根本が箒のようにフサフサしています。
トイプードルなどの毛が伸び続ける犬種では、この成長期の毛の割合が多いです。
休止期毛。成長期毛と比べて、毛根がヒョロヒョロで先細りしています。いつでも抜ける準備ができている毛なので、鉗子で抜く時も抵抗が少ないです。

ぜひ皮膚科診察の時には検査風景もチェックしてみてくださいね。

この記事を書いた人

獣医皮膚科認定医 門岡友子

この度「めぐり動物病院 元代々木」にて皮膚科専門診療を任されることとなりました。
皮膚疾患は動物病院への来院理由でも常にトップ3に入る疾患です。
また、アレルギーや感染症、免疫介在性疾患、腫瘍など、原因が多岐に渡るのも皮膚疾患の特徴です。
そのため、皮膚疾患の原因を一つ一つ丁寧に紐解き適切な診断を行い、ご家族に寄り添った治療を提案してまいります。
ワンちゃんネコちゃんの皮膚疾患にお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

経歴
・麻布大学獣医学部 卒業
・Vet Derm Tokyo 皮膚科第1期研修医
・ヤマザキ動物看護専門職短期大学 非常勤講師
・日本小動物ケースベースド情報ネットワーク(JCABIN)皮膚科担当講師