フードの選択

毎日体に入るものだから良いもの合ったものを食べさせてあげたいですよね。
フードを選ぶ基準として、フードの内容に加え、その子の年齢、犬種、体格、病歴と選ぶポイントは様々です。

例えば太ってしまっている場合…

運動もさることながらフードを見直す必要があるケースが多いです。


一般的に減量用フードは脂肪分を減らしてカロリーを落としているために味が落ちてしまうのですが、フードメーカーは色々な風味をつけてより美味しく食べてもらえるようにしています。減量用のフードでも喜んで食べてくれれば嬉しいですよね。

市販食では昔はなかった特殊なフードも増えてきています。最近は高タンパク、低炭水化物のフードがたくさん発売されています。また、自然派、無添加とうたっているも多く、安心感はありますが、これらのフードもおうちの子に合うのか吟味が必要です。

近年問題視され調査結果が出たフードについてご紹介します。
ヒトと同様にグレインフリーという穀物(麦類や米)を除いたフードが流行っていますが、それに関して思わぬ調査結果がでました。

2019年のFDA(アメリカ食品医薬品局)の発表では、グレインフリーを食べていた犬は通常食を食べていた犬と比較してDCM(拡張型心筋症)という心臓病にかかった犬の数が多かったというものです。もともとDCMにかかりやすい犬種がいて、比較的発症する病気ですが、普段はかからない珍しい犬種がかかり亡くなってしまったことから循環器専門医が疑問に思い調査されたという経緯でした。
当初は穀物を除いたことによる栄養不足が原因かとも考えられましたが、その後グレインフリーのフードに穀物に代わって通常より多く添加される豆(エンドウ豆、ひよこ豆、その他豆類)が問題である可能性がわかってきました。
もちろん、豆自体は人や犬でも毒になるものではありませんが、穀物を減らしたフードを作るために通常より多く添加されたことが問題になった可能性があるようです。
DCMという心臓の病気自体が遺伝や多数の要因があるといわれており、まだ調査は続いていますが、特殊なフードに思わぬ悪影響があったことは事実なようです。

身近な話題では、診察で今あげているフードをお伺いすると、過去に体調を崩した時、検査値に異常が出た時に獣医師から勧められたフードを長年あげていますという方もいらっしゃいます。
年齢を重ね体質が変化したり、あるいは病気が出てくることによってずっと同じフードでいいのか吟味する必要がでてきます。また、そのフードを食べて期待する効果が得られているのか定期的にチェックするといいですね。

忙しい毎日のなかで購入しやすいのも大事ですよね。処方食の中にはメーカーからオーナー様に直送してくれるサービスがあるところもありますよ。

今のフードは合ってるかな?ご心配の方は成分表やカロリーのところを写真にとっておいて診察の時に見せていただければと思います。

処方食イコール病気の子用のフードというわけではなく、健康な子にも幅広くご案内できます。
是非お気軽にご相談いただければと思います。

この記事を書いた人

巡 夏子

大学卒業後、北海道の中核病院で内科や外科診療に携わった後、関東の夜間救急病院で勤務しながら大学病院や2次診療施設で循環器診療を習得。その後、2つの一般病院で診療部長や副院長として診療にあたる。2023年、渋谷区元代々木町に「めぐり動物病院 元代々木」を開院する。