急性下痢 3


急性下痢の定義は原因をつきとめる前に治癒する下痢のことを指します。通常は3−4日で改善します。

以前の回で前述したように食事性といって過食や食事の変更が原因のこともよくあるとされています。

治療

  • 食事:もし食事性が疑われる場合は原因となったであろう食事(要因)を摂取しないようにして消化の良い食事を 3 ~ 5 日間与えると、通常は治癒します。食事は頻回少量与えると良いとされています。消化の良い食事とは消化の良い繊維が入った脂肪が高すぎないフードです。病院で処方食のご用意があります。
  • 対症療法:プロバイオティクス、サイリウムなどの便の水分の調整、食事(脂肪が高くない消化のよい線維がはいったもの)で治療します。止瀉剤(下痢止め)も使用できます。状況により点滴治療、抗生剤が必要になるケースもあります。
  • 駆虫:寄生虫が確認された場合は薬を投与し治療後 2 ~ 3 日で下痢は改善しますが幼齢の子の原虫の駆除は一般的に難しく、再感染も多く起こります。
  • 抗生物質:メトロニダゾールは一般的に使われてきた抗生剤ですが、使用して早く下痢が治るデータもあれば、より下痢になったというデータもあります。
         近年は抗生剤の適切使用が推奨されてきております。

残念ながら基礎疾患がない下痢も1日では治らないとされています。

何度も吐いている場合や食欲がない場合は上記の治療では足りないことがあります。
元気がない場合もご相談ください。

幼齢・若齢の子や老齢の子たちは消耗しやすいので様子をみずにご連絡くださいね。


当院は早朝7時から(日曜・祝日は9時〜)完全予約制で診療を行なっている渋谷区代々木上原、代々木公園に近い動物病院です。
夜間に体調を崩して朝になっても良くなっていなくてご心配な場合や、朝からお仕事やご用事がある場合など、早朝の診療をお勧めいたします。
セカンドオピニオンにも対応しております


この記事を書いた人

巡 夏子

大学卒業後、北海道の中核病院で内科や外科診療に携わった後、関東の夜間救急病院で勤務しながら大学病院や2次診療施設で循環器診療を習得。その後、2つの一般病院で診療部長や副院長として診療にあたる。2023年、渋谷区元代々木町に「めぐり動物病院 元代々木」を開院する。