外耳炎 2

これからの季節、外耳炎になりやすいという子が増えてくる時期です。外耳炎についてご紹介いたします。

外耳炎の分類(PSPP分類)

比較的遭遇しやすい耳の疾患といえば、外耳炎です。この外耳炎はさまざまな要因が重なって起こるとされていますが、その要因ごとに分けて外耳炎を考える分類方法を「PSPP分類」と言います。

外耳炎を「PSPP」分類で要因ごとに分類することによって、適切な診断・治療を行うことができます。

 前回は「主因:Primary causes」についてお話ししましたが、今回は「副因:Secondary causes」についてご紹介していこうと思います。

【PSPP分類】

主因       Primary causes

副因       Secondary causes

憎悪因   Perpetuating factors

素因       Predisposing factors

この主因、副因、憎悪因、素因の頭文字をとって、PSPP分類と呼んでいます。

【副因 Secondary causes】

 副因とは、外耳炎が起こった結果二次的に付随する要因ですが、除去可能なものです。

細菌:ブドウ球菌や緑膿菌

酵母:マラセチア、カンジダ

真菌:アスペルギルス

点耳薬や洗浄液の薬物反応:アルコール、プロピレングリコール、低pH

過度な洗浄:過度な水分、綿棒などによる物理的刺激

 よく細菌性外耳炎やマラセチア外耳炎と言いますが、これはあくまでも副因です。
背景にアレルギー内分泌疾患などの主因があって、二次的に細菌やマラセチアが増殖しているため、必ず外耳炎ではアレルギーなどの背景疾患を精査することが重要です。

 次回は、残りの憎悪因、素因についてご紹介していきます。

当院は早朝7時から(日曜・祝日は9時〜)完全予約制で診療を行なっている渋谷区の動物病院です。

皮膚科以外にも循環器科(心疾患/心臓病)、消化器科(内視鏡完備)に力を入れ、外科を含め幅広く対応しております。
夜間に体調を崩し、朝になっても回復していない場合、朝からお仕事やご用事がある場合など、早朝の診療をお勧めいたします。
セカンドオピニオンにも対応しておりますので、過去の検査資料や予防歴をご持参しご相談ください。

なお、WEB予約でご予約枠がない場合や緊急時はすぐにお電話でお問い合わせください

この記事を書いた人

獣医皮膚科認定医 門岡友子

この度「めぐり動物病院 元代々木」にて皮膚科専門診療を任されることとなりました。
皮膚疾患は動物病院への来院理由でも常にトップ3に入る疾患です。
また、アレルギーや感染症、免疫介在性疾患、腫瘍など、原因が多岐に渡るのも皮膚疾患の特徴です。
そのため、皮膚疾患の原因を一つ一つ丁寧に紐解き適切な診断を行い、ご家族に寄り添った治療を提案してまいります。
ワンちゃんネコちゃんの皮膚疾患にお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

経歴
・麻布大学獣医学部 卒業
・Vet Derm Tokyo 皮膚科第1期研修医
・ヤマザキ動物看護専門職短期大学 非常勤講師
・日本小動物ケースベースド情報ネットワーク(JCABIN)皮膚科担当講師