歯周病の検診

犬や猫の歯周病の怖さは当院でも何度かお知らせしておりますが、ネット上やSNSでも取り上げられ今や周知の事実となってきています。
歯周病の治療はもちろんのこと、予防するための努力がお家の方や動物病院業界全体に広まっています。

そうです幸いなことに、歯周病は予防可能なのです

また、歯周病になってしまっても早期に発見できれば、治療してある程度回復させることも可能です。

口腔の健康に積極的に取り組むことで、いろいろな病気を防ぐことができます。
人と同じように、犬も猫も口腔衛生を維持し、口腔内の問題を見つけるために定期的な歯科検診が必要とされています。

では、歯科検診はどのくらいの頻度の検診が必要でしょうか。

検診頻度

おうちでのデンタルケアの度合いや年齢、その子の体質で変わりますが、一般的には少なくとも6か月に1回は獣医師の診察を受ける必要があると考えます。

おうちの子が次回はどのくらいで歯のクリーニングをすべきかを確認するだけではなく、自宅でのケアがうまくいっているかについてお話しすることも大切です。全くケアができない子もどんな問題が起こっているか確認します。

歯垢や細菌の増殖を防ぐために、歯を毎日ブラッシングして、検診と検診の間に歯周病が発生するのを防ぎます。

検診内容

病院での歯科検診の内容になります。
全身の身体検査を終えると、早速お口の中のチェックです。

  • 可視化で確認

歯の色の変化、匂い、歯垢の程度、歯石の程度、歯周ポケットの深さ、歯茎の腫れ、炎症、歯のぐらつき、歯の欠損、歯の欠け、齲歯(虫歯)、よだれなどが増えていないか確認します。

  • 歯周病菌検査

歯周病の原因菌の存在が間接的にわかる検査があります。
当院では2種類の検査を用意しています。

ADplit®️ (アドプリット)

歯周病の病巣に多く存在する細菌から産生される物質の酵素活性を測定するものです。すなわち間接的に活動している細菌の多さを可視化し、歯周病の程度がわかる検査になります。

検査の仕方は簡単で、ブラシで歯の表面をこすりそれを液体につけて検査液をつくりテストプレートに垂らすなどの工程で約3分と少しで結果がでます。

OraStrip®️ オーラストリップ

歯周病を起こす菌は嫌気性菌(酸素がないところで生きる菌)で、その嫌気性菌の代謝産物であるチオールの濃度がわかります。チオールは歯周病の特有の匂いの元とされています。

歯石があまりないのに検査で強く色が濃く出る子もいます。
その場合は歯磨きに加え、お水に入れるマウスクリーナーを併用してもらうこともお勧めします。


歯石に対し、普段の歯磨きに加え歯科用噛み物、ドッグフード、噛むおもちゃもあります。

噛むおもちゃは歯が折れる原因にもなるので、硬くないものにしてください。
硬さのお勧めはハサミで切れるレベルの硬さとされています。
少しずつでも色々なケアをして長く歯を残すことを目指しましょう。

定期的に歯科検診を受けることをお勧めします

ご不明な点はお気軽にお問い合わせくださいね。

この記事を書いた人

巡 夏子

大学卒業後、北海道の中核病院で内科や外科診療に携わった後、関東の夜間救急病院で勤務しながら大学病院や2次診療施設で循環器診療を習得。その後、2つの一般病院で診療部長や副院長として診療にあたる。2023年、渋谷区元代々木町に「めぐり動物病院 元代々木」を開院する。