けいれんの時にしてはいけないこと

以前の診療紹介でけいれん(てんかん)についてご紹介しましたが、今回はけいれんの発作の時にしてはいけないことについて簡単にご紹介します。
てんかんは犬や猫も0.5〜1% つまり100頭に1頭程度起こるとされています。犬の報告によっては5%程度という報告もあります。
これは人と同じくらいかそれより少し多いくらいになります。
決して有病率は低くありませんので、これまでてんかんに遭遇したことがない方もなんとなくでいいので覚えておいていただければと思います。

  • 発作時に動物に触らないでください
    動物が無意識にものを噛んだりしてしまうことがあります。抱っこしたり撫でたりしないで見守りましょう。
    ビーンと伸びたり、手足をバタバタさせて自分では思いどうりに動けなくなっているので、もし高いところから落ちたり硬いところに打ちそうになっているのであれば、顔付近に手を出さず布やクッションで保護してあげるなどの対処はしてあげてください。
  • 水を与えないでください
    発作で消耗しているかな、正常に動けるかなと、何か食べ物や飲み物をあげたくなりますが、発作中はもちろんですが、発作後もしばらくは飲水や食事を控えてください。発作後は飲み込む力が落ちていることがあり、肺炎を起こすリスクが高いとされています。

以前お伝えした、発作時にできればした方がいいこと状態確認(発作中に舌が白くないか、尿が出ていないか、呼吸はできていそうかなど)、スマホなどで動画撮影時間測定安全確保などをしてください


既に発作を起こしたことがある子は動物病院で自宅で発作時に使える緊急時のお薬(鼻噴霧剤など)を処方してもらうといいでしょう。



てんかんは通常1-2分で自然に治ることが多いので、落ち着いてから動物病院に相談しましょう。
その場合、発作止めの治療を用意してお待ちしますので、移動しながらでも事前にご連絡いただくとスムーズな治療ができます。

発作が5分以上続く場合は緊急性が出ますので、動物病院をすぐに受診した方がよいでしょう。

ご不明点や不安なことはお気軽にご相談くださいね。


この記事を書いた人

巡 夏子

大学卒業後、北海道の中核病院で内科や外科診療に携わった後、関東の夜間救急病院で勤務しながら大学病院や2次診療施設で循環器診療を習得。その後、2つの一般病院で診療部長や副院長として診療にあたる。2023年、渋谷区元代々木町に「めぐり動物病院 元代々木」を開院する。