嘔吐は犬や猫の症状では最も一般的な症状の1つです。
正常な犬集団の2割 が 2 週間の間に少なくとも 1 回嘔吐したという報告があります。
嘔吐は胃や小腸の消化中の未消化な食べ物を戻してしまう状況です。胃腸が排除しようとしているので、気持ち悪そうして、よだれが出る、腹部が大きく動くような前兆があります。
気持ち悪い時は舌をペロペロ、唾を飲む、唾液が多くでるなどの症状でわかります。
1度きりでその後全く問題がない場合もあり、その後何もなければ問題なかったのかなと言えます。
では、どのような場合に早く病院へ行った方がよいでしょうか
- 何度も吐く
- 他の症状を伴う 元気がない 食欲がない 下痢 ぐったり 口の粘膜が乾いている
- 嘔吐後も元気がない
- 異物や毒物、腐ったものを食べた可能性がある時
- 暑いところにいた 体温が高い
- 吐いても何も出ない
- 続く 3週間以上経つと慢性と定義されます。
- 年齢 パピー、高齢の子の場合
- 痙攣のような症状がある
- 犬の様子がとにかくおかしい オーナーはうちの子をよく知っていますよね。なので、なんかいつもと違う。おかしいと思ったらご相談ください。
嘔吐の原因
嘔吐の前に何をしていたか?新しいフードに切り替えた、ストレスを受けるようなできことがあった、ゴミ漁りをしてしまった。などの経過はとても大切な情報です。
また、犬の異物誤食や誤飲はとても多いです(犬ほどではないですが猫でも少なくはありません)。特に若い子、過去に異物誤食の歴がある子はオーナー様が何もおかしなものは食べていないとおっしゃっても最終的に異物誤食が原因だった!ということがあるので、最初から除外することはできません。
- 食事 食べ過ぎは多い原因です
- 不耐症/アレルギー
- 食事の質の低下 (腐敗していた)
- 急激な食事の変化(特に子犬や子猫の場合)
- 細菌性食中毒
- 異物摂取 (毛玉 特に猫)
- 食事の不摂生
- 胃腸自体の炎症性腸疾患や腫瘍性疾患
- 寄生虫 回虫、フィラリア、条虫、鉤虫、鞭虫などの寄生虫
- ウイルス感染症 : ロタウイルスなど
- 細菌感染症 :レプトスピラ症、大腸菌症、サルモネラ症など
- 乗り物酔い
- 熱中症
- 薬剤
- その他の原因
- 腎臓病
- 肝不全
- 泌尿器疾患
- 膵炎
- 代謝性疾患 副腎皮質機能低下症(犬)、甲状腺機能亢進症(猫)
- 異物誤食
- 毒物 、ゴミ箱あさりの中毒(腐敗した食品)、 化学物質、 重金属 、様々な薬剤
- 腸重積
ちなみに、嘔吐に似た症状に突出(逆流、吐き戻し)があります。
突出は吐き気がなく食べたものが胃に入らずあるいは、少しの時間入ったけどすぐに戻してしまった症状のことです。
咳をしたときに反射で出てしまうのもこちらです。消化されていないため食べたものがそのまま出てきます。
こちらは特に1回で終わるようなら問題がないことが多く、一気に急いで一定量以上を食べたときも起こりやすいです。
違いがよくわからない場合も獣医師に相談するとわかることがあります。うちの子の様子を観察して教えてくださいね。
何度も起こる出るようだと食道や胃などに問題がある可能性があります。
様子を診ないでくださいね。
ご心配な症状や治りにくい消化器症状、お気軽にご相談くださいね。
参考text ,文献
Small Animal Internal Medicine 6th Edition
K. Hubbard BSc et al. Vet Rec 2007 Dec 1;161(22):755-7