皮膚科の検査ってどんなことをするの?Part5

〜ウッド灯検査〜

皮膚疾患の診断をするために欠かせないものが「皮膚科学的検査」です。

エコー検査や内視鏡検査のような派手さはないのですが、この皮膚科学的検査によって私たちはさまざまな情報を得ることができます。実際の診察でも検査風景を直接目にすることが多いと思うので、順番にご紹介していきます。

【ウッド灯検査】ウッド灯とは、波長365nmの紫外線を出す光源と拡大鏡がセットになった検査機器のことです。このウッド灯検査は、皮膚糸状菌症のスクリーニング検査で使用します。

皮膚糸状菌症は犬や猫で多く見られる真菌(カビ)感染症の一つですが、被毛にこのウッド灯を照射すると、皮膚糸状菌症に感染した被毛が蛍光に光り、一目で検出することができます。このウッド灯により発光した蛍光色は、よくアップルグリーン色と表されます。
この光った毛を鉗子で引き抜いて直接顕微鏡で観察することで、皮膚糸状菌症の診断ができます。

  色がとりわけ明るく光っているところが陽性の部分です
     感染した被毛を顕微鏡でみて直接確認できます

ぜひ皮膚科診察の時には検査風景もチェックしてみてくださいね。

この記事を書いた人

獣医皮膚科認定医 門岡友子

この度「めぐり動物病院 元代々木」にて皮膚科専門診療を任されることとなりました。
皮膚疾患は動物病院への来院理由でも常にトップ3に入る疾患です。
また、アレルギーや感染症、免疫介在性疾患、腫瘍など、原因が多岐に渡るのも皮膚疾患の特徴です。
そのため、皮膚疾患の原因を一つ一つ丁寧に紐解き適切な診断を行い、ご家族に寄り添った治療を提案してまいります。
ワンちゃんネコちゃんの皮膚疾患にお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

経歴
・麻布大学獣医学部 卒業
・Vet Derm Tokyo 皮膚科第1期研修医
・ヤマザキ動物看護専門職短期大学 非常勤講師
・日本小動物ケースベースド情報ネットワーク(JCABIN)皮膚科担当講師