血圧ってどんな機械で測るの?怖い検査じゃないかな?と心配ですよね。
診療では犬や猫も人と同じ方法で測定できます。
正確な値を測定する場合は、動脈にカテーテルを挿入する観血的直接的方法になります。こちらは麻酔下で正確かつタイムリーに血圧を把握しなければいけない手術や処置、場合によってはICUの集中治療の時に用いますが、普段の診療で行うことはないです。
人と同じ方法というのは、オシロメーターやドプラー超音波測定装置などの非観血的間接的方法になります。
どちらも手足や尾にカフを巻いて測定します。
ドプラー超音波測定装置(写真)での測定法は古くからある方法で、人の病院では看護師さんが聴診器を使って測ってくれるのを見たことがあるかもしれません。カフを膨らませると血管が圧迫されて細くなり、カフをゆるめると血管の血液が流れ始めます。それがコロトコフ音(血管音)で、その聞こえ始めた時が収縮期血圧なのです。100年以上前からあるのだそうです。それに対し、オシロメーターは脈波といって血管の拍動が振動になったものをカフ自体がセンサとなって探知しています。実際の測定についてはそれぞれ短所や長所があります。
ドプラー超音波測定装置は素早く測れるので急いでいる時、長い間我慢できない子の時にとても重宝していますが、使い慣れていないとコルトコフ音の探知場所がずれてしまいすぐ測れなくなってしまうので測定が難しいともされます。
オシロメーターは収縮期血圧のほかに拡張期血圧や平均血圧が測れ、ボタン一つで操作者の習得度にかかわらず測れるのがメリットです。徐脈といって心拍数がゆっくりの子もオシロメーターの方が測定しやすいです。
カフを手足や尾に巻かれる状況にドキドキしてしまう子も、つけたまま静かな環境で優しく声かけすると徐々に血圧が下がってきて正常血圧を測れるようになることが多いです。
高血圧の値が出た時は、リラックスした環境でご家族と一緒に付き添ってもらい再測定してみて高血圧と誤診しない工夫が必要です。
簡単で大事な情報が得られる検査になります。
高血圧の原因などを次回以降で紹介させていただきます。
引用: OMRON HPより