犬猫も検査で血圧を測ります。
なかでも収縮期血圧が高いことを高血圧といいます。”高血圧症”は臓器自体に影響がでてしまい、その原因が病気とからんでくるので診断する必要があります。人では高血圧で頭痛が出るようですが、犬猫だと自覚症状というものがなく高血圧に気が付きにくいとされ発見された時は進行してしまっているということがあります。
血圧を測る時の注意点からご紹介します。血圧測定はACVIM(アメリカ獣医内科学学会)の”犬と猫における全身性高血圧の同定、評価および管理のガイドライン”から指標が提供されています。
まず、血圧を正確に測る必要があります。
人も緊張すると血圧が上がってしまうことがありますが、犬や猫も普段は正常なのに病院で測った時だけ高血圧になってしまう「白衣高血圧」があります。
誤診につながるため測定前は他の検査の前に行う、静かな部屋で5分程度落ち着いてもらう、ご家族の抱っこで測るなど工夫が必要です。
血圧は尾や手足の先の方にカフと呼ばれるものを巻いて測定することが多いのですが、このカフの大きさが大きすぎると低く出てしまい、カフが小さいと血圧が高く出てしまうためカフの吟味も必要です。
通常は巻く場所の全周の30−40%のカフが適切です。
通常5−7回測定します。測るたびに下がっていくと最初は緊張していたことがわかります。その場合は下がり続けるまで測定します。
色々なサイズのカフです→→→
以前、院内で過度に緊張しちゃう子は、我々がお車まで血圧計を持って行きオーナーに抱っこしていただきながら測定したところ正常と思われる血圧を測定できたこともあります。猫ちゃんはケージに入ってもらったままタオルをそっとかぶせて尾にこっそりカフを巻いて測ることもあります。
正常な血圧を測定するには工夫が必要です。
次の機会に高血圧の測定機器、原因疾患やその危険性についてご紹介します。
参考文献:Acierno, M. J. et al. ACVIM consensus statement: Guidelines for the identification, evaluation, and management of systemic hypertension in dogs and cats. J Vet Intern Med 32, 1803–1822 (2018).