皮膚科の検査ってどんなことするの?Part4

〜培養検査(細菌培養検査)〜

皮膚疾患の診断をするために欠かせないものが「皮膚科学的検査」です。

エコー検査や内視鏡検査のような派手さはないのですが、この皮膚科学的検査によって私たちはさまざまな情報を得ることができます。

実際の診察でも検査風景を直接目にすることが多いと思うので、順番にご紹介していきます。

【細菌培養検査】

 皮膚の細菌感染が疑われる場合、どんな菌がそこにいて(細菌同定)、どんな抗生剤が有効なのか(薬剤感受性)調べる検査が、細菌培養検査です。膿皮症の治療をする際の抗生剤の選択に、とても役立つ検査です。

また、なかなか膿皮症が治らない時に、抗生剤が効かない多剤耐性菌になっていないのか調べるためにも役立ちます。



このように無菌のスワブを患部に直接擦りつけて、皮膚にいる細菌を採取します。人の手にも菌はもともといますので、誤ってスワブに付かないようグローブをして検査を実施します。採取した検体は外部の検査会社へ郵送し、検査結果を待ちます。

 人医療でも抗生剤の乱用や薬剤耐性菌が問題となっていますが、犬と猫でもこの細菌培養検査により、適切な抗生剤使用が可能となります。

ぜひ皮膚科診察の時には検査風景もチェックしてみてくださいね。

この記事を書いた人

獣医皮膚科認定医 門岡友子

この度「めぐり動物病院 元代々木」にて皮膚科専門診療を任されることとなりました。
皮膚疾患は動物病院への来院理由でも常にトップ3に入る疾患です。
また、アレルギーや感染症、免疫介在性疾患、腫瘍など、原因が多岐に渡るのも皮膚疾患の特徴です。
そのため、皮膚疾患の原因を一つ一つ丁寧に紐解き適切な診断を行い、ご家族に寄り添った治療を提案してまいります。
ワンちゃんネコちゃんの皮膚疾患にお困りの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

経歴
・麻布大学獣医学部 卒業
・Vet Derm Tokyo 皮膚科第1期研修医
・ヤマザキ動物看護専門職短期大学 非常勤講師
・日本小動物ケースベースド情報ネットワーク(JCABIN)皮膚科担当講師